こんにちは、いい人やめます党のテエラです。
今回は10/26公開の映画『旅猫リポート』を観てきたので、その感想を書きたいと思います!
原作は未読で、ネタバレしつつ語りますので、ご了承を。
映画『旅猫リポート』のあらすじ
野良猫だったナナは、ある日交通事故に遭ってしまいます。
それを助けてくれた青年・悟の飼い猫となることに。
しかし5年後、悟はある事情でナナを手離さなければならないことに。
旧知の知り合いたちを訪ねて旅をしながら、ナナの新しい飼い主を探す。
というのが、この映画のあらすじです。
思わせぶりなのが、「ある事情からナナを手離す」というところですよね。
これは悟とナナが旅をする間もわりとずっと伏せられたままお話が進むので、どうして悟は新しい飼い主を探してるの?と思いながら、映画を観進めていくことになります!
以下、ネタバレありの感想です
ナナの交通事故シーンが心臓に悪い:;
冒頭から、ナナの交通事故シーンがあるので少し心臓に悪いです^^;
特に、この映画を観に来る人は猫好きが多いと思うので…
例え人形によるシーンだと分かっていても、ヒヤッとするところはありました。
悟の人生が悲惨すぎる
ナナの新しい飼い主を探すために悟が尋ねるのは、小学生時代の親友と、高校生時代のクラスメイト(夫婦になっています)、叔母さん。
それぞれと再会を懐かしむやり取りをしながら当時の回想が挟まるという展開で、それによって悟の歩んできた人生を知ることができます。
小学生時代の回想から、悟が小学生の時にハチという猫を飼っていたこと、そして両親を事故で亡くしたことが分かります。
高校時代の回想からは、ハチがもらわれていった先で事故死します。
叔母さんとのやり取りからは、悟が実は養子で、実の親から育児放棄をされていたことが分かります。
そして今現在、癌を患っていることも。
悟の人生、壮絶すぎでは:;?
なんかもうこれでもかというほど不幸のオンパレードで、救いがなさすぎる…
正直叔母さん目線で見てしまってなんかもうやりきれなかったです。
ナナは悟の死の匂いを感じ取っていて、誰を紹介されても悟の元を離れるつもりはありません。
最終的に叔母さんとの生活が始まりますが、悟が入院したことをきっかけにナナは野良猫に戻り、悟が病院の庭に出てくる時にはどこからともなくあらわれます。
そしてついに悟が危篤の状態になった夜、必死に病院まで走り、懸命にドアをひっかきます。
もしかして、と思った叔母さんがナナに気付き、悟がどれだけナナをかわいがっていたかを知っているお医者さんと看護婦さんの見て見ぬふりのおかげでナナは病室に入ることができ、悟の最期に寄り添います。
悟の一周忌、悟が飼い主候補として会いにいった人たちが集まり、悟の思い出話をしています。
ナナはそんなみんなの会話を、どこか嬉しそうに聞いています。
ちょっとゴリ押し感ない?
いや、まあ、美しい終わり方だけど…
めちゃくちゃ泣いたけど…
悟の人生これでええんか:;?
産みの親に捨てられて、だけど愛情たっぷりの両親にもらわれて、親を亡くしてからもしっかり者の叔母さんと暮らして、友人にも恵まれて、ナナという猫と最期まで一緒にいられて…
って、何だか無理やり美談にまとめたようなゴリ押し感がすごい。
ナナちゃんに出会えて悟の人生よかったね~とは言えない悲惨さ:;
悟の心の闇の気配
っていうかここまで壮絶な人生歩んだ悟がよくもああ美しく優しい青年に育ったな…と思わざるをえない。
私なら百万回ぐらいグレてる。
悟があまりに完璧に心根の良い子すぎて、何だったら、ナナにここまで愛情を注いでることが、悟の心の闇の深さのような気すらしてくる。
悟、やっぱり人間に対する不信感というか、どうしたって自分はひとりだという孤独感が消えなかったんじゃないかと深読みしてしまうなぁ。
ハチといい、ナナといい、猫への想いがすごすぎるやん…。
猫はいいぞ
まあ、ちょっとしっくりこなかったというか、泣かせてやるぜ…!という制作サイドからの圧を感じ取ってしまい、素直には、ええ話やな~、とは受け取れなかったんですが、
猫を飼っていた身としては、あの猫のなんとも言えない「分かってるで」感がたくさん描かれていて、あるあるー!と頷いてしまうシーンがいくつもありました。
いつもしれっとしてるくせに人が弱ってる時はそっと寄り添ってくれたり、ぎすぎすした家族の仲を取り持ってくれたり…。
きっと観に来てた中にも、お別れした猫ちゃんのことを思い出して泣けた人も多かったんじゃないかな。
悟とナナの物語を観ながらも、自分とあの子の思い出にふと想いを馳せてしまったり。
私はそうでした。
過去に2匹猫を飼って、2匹とも長生きしてもう天国へ行ってしまったけど、猫と暮らした時間は忘れがたいものです。
悟がナナを撫でたり抱っこしたりするのを見て、今はもう感じることのできないあのぬくもりを、久しぶりに思い出したりしましたね。
音楽がとてもよかった
この映画、悟とナナの絆にも泣かされますが、音楽にも泣かされます。
特に悟の命が消えてしまう夜、必死に悟の元へ駆けつけるナナのシーンからの挿入歌には、もう、ずるい!!と言ってしまいそうなぐらい泣かされました~
まとめ
全体的にはひとりと一匹の、美しい絆の物語でした。
素直に楽しめなかったのは私のひねくれた性格のせいだと思いますw
子供を持った今は何を観てもだいたい親目線になってしまって、
悟を置いて逝ってしまった両親の無念を想っては涙し、
こんな不遇な人生を歩んだ子がこの若さで逝ってしまうのを看取ることとなった叔母さんのやるせなさを想っては涙し…
という、非常に疲れる映画でしたw
この世に神はいないのか!!
と、立ち上がって叫びそうになるほどイーッとなりました。
私が神だったら、悟みたいな百人分の不幸を背負って生まれたような子には、
ある日突然癌が消えて、ナナちゃんと末永く暮らしましたー!ぐらいの超絶ハッピーエンドを用意してあげたいものです。